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「ニコ厨とねらー」 ゲーム研究部のライバル組織、ネット研究部(何を研究するんだ)。その部長を務める二茶練男。そして副部長の二戸中童河。一旦CoAから出た二人は、道を歩いていた 練男「…一旦出てきたって。特に何もしてない気がする件」 童河「禿同www …って笑い事じゃないよな」 練男「お前普通に喋れんのかよ」 童河「どういう意味だそれ」 いがみ合ってるようにも見えるが、仲は悪くない…はずだ 練男「ググレカス」 童河「ググレねーよwww」 そんな雑談を続けながら歩いていると…何かが物凄いスピードで近づいてきた 童河「!? /減速 /減速 /減速」 持ち歩いているノートPCに、『/減速』と入力する童河。すると、高速の何かは減速し、その姿を現した 『何じゃ、これは? アタシのスピードが…』 童河「『ジェット婆』…だと…?」 『む? そうじゃよ。スピードといえばアタシ! アタシといえばスピードの! 『ジェット婆』じゃよ!』 練男「それで? 何しにきたんだよ」 『よくぞ聞いてくれたのぅ。単刀直入に言う。アンタらを殺しに来た!』 練男「ちょwwwおまwwww」 童河「あるあr………ねーよwww」 いや、殺しに来た相手に『殺しに来た』って。『564219』じゃあるまいし。そんなんじゃ殺せるもんも殺せねーよ! 『ってなわけで! 喰らいな!』 言い終わるや否や、『ジェット婆』は走り、突進してくる 童河「!!!! /減速 /減速 /減速!」 再びpcに『/減速』と入力し、『ジェット婆』の速さを殺す童河 『また…またこれじゃ…! 何なんじゃ一体! こんな都市伝説聞いたことないぞ!』 童河「うーん…仕方ない… 教えてあげるか 特別にね これは僕の契約都市伝説 『/○○』さ 存在しないニコスクリプトの一種でね 『/倍速』ってコメントすると動画の再生スピードが倍になって 『/減速』ってコメントすると再生スピードが遅くなる…って都市伝説なのさ」 ネット研究部1のニコ厨、二戸中童河は、長文を喋るとき、ニコニコ動画のコメント風になる癖がある。…字面じゃないと分からない口癖ではあるが 『『/○○』…? 聞いたことがないぞそんな都市伝説!』 童河「そりゃそうさ。『/○○』はネットロアの中でも…一部だけで広まってる内輪ネタみたいなものなんだから」 『く…っ!』 練男「おいおい、漏れの存在を忘れんなよ! 『もしも都市伝説の世界に2chがあったら』!」 空間が歪んでいき、電脳空間…そう、丁度2chの背景のような空間に変わる 45 以下、名無しにかわりまして高速婆がお送りします 2011/09/21(速) 14 12 00.34 ID TarboBbA なんじゃ…? 何が起きた…? !? 話し方が…? 46 以下、名無しにかわりましてニコ厨がお送りします 2011/09/21(童) 14 12 09.88 ID NicOD0/g キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ 47 以下、名無しにかわりましてねらーがお送りします 2011/09/21(二) 14 12 14.53 ID 2chNelar 45 漏れの契約都市伝説、『もしも○○の世界に2chがあったら』の能力だ。空間を2ch風にし、空間内の全員の会話が2chのレス風になる ぬるぽ 48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/21(水) 14 12 30.77 ID Ok66j7/0 手から無限にから揚げを出せる能力と1億円どっちが良い? 49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/21(水) 14 12 59.21 ID hZrt99+O 48 から揚げ 50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/21(水) 14 14 33.45 ID 7eFf6++o 48 一億円 51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/21(水) 14 15 59.66 ID 43567//0 47 ガッ 52 以下、名無しにかわりまして高速婆がお送りします 2011/09/21(速) 14 16 39.29 ID TarboBbA グハッ…! 何が起きた? 突然変な猫が… ――――― 突如、AA風の猫人間が現れ、『ジェット婆』の頭を殴った。『ぬるぽと書き込むと10レス以内にガッされる』。ぬるぽと唱えることで10レス以内にガッと書き込まれ、ガッのAAが召喚され、相手をガッするという能力だ 53 以下、名無しにかわりましてねらーがお送りします 2011/09/21(二) 14 15 58.99 ID 2chNelar 52 『ぬるぽと書き込むと10レス以内にガッされる』んだよ。ちなみにから揚げの件は『2chの書き込みの半数以上はとある国のSCが自動的に書き込んでいる』だ 54 以下、名無しにかわりまして高速婆がお送りします 2011/09/21(速) 14 16 44.01 ID TarboBbA 53 またネットロアか…じゃが! ――――― 『ジェット婆』が練男を睨むと、何処からか車が走ってくる。それは練男を狙っているようだった。『ジェット婆』と目を合わせると事故を起こすという伝承によるものだ 55 以下、名無しにかわりましてねらーがお送りします 2011/09/21(二) 14 17 00.96 ID 2chNelar 55なら車が溝に落ちる ―――――― しかし、練男を狙っていた車は溝に落ち、その動きを止める。彼の契約都市伝説、『特定のレス番なら○○』。文字通り、宣言したレス番を書いたレスのレス番が一致した場合、そこに書かれた現象が現実になる。 しかしその性質上、『もしも○○の世界に2chがあったら』発動中でないと使えない 56 以下、名無しにかわりまして高速婆がお送りします 2011/09/21(速) 14 17 34.11 ID TarboBbA な…防がれた? 57 以下、名無しにかわりましてニコ厨がお送りします 2011/09/21(童) 14 17 49.11 ID NicOD0/g んじゃ、次は俺のターン! お婆さんホイホイ! 58 以下、名無しにかわりまして高速婆がお送りします 2011/09/21(速) 14 18 00.02 ID TarboBbA !? 身体が勝手にッ!? ――――― 童河の目の前にニコニコ風のホログラムが現れる。すると、『ジェット婆』はそこに引き寄せられるように歩いていった 59 以下、名無しにかわりましてニコ厨がお送りします 2011/09/21(童) 14 18 33.22 ID NicOD0/g 何勘違いしてるんだ… まだ俺のバトルフェイズは終了してないZE! ―――――― 童河がノートPCを弄ると、2ch風だった空間の真ん中に赤い物が現れ、童河と『ジェット婆』を飲み込んだ 童河「ようこそそそそそそそそそそそそそ、『sm666』の世界へ」 その 空間は 辺りが 真っ赤で 意味不明の 文字が 並べ られられられ ギギギギギギギギ ていた 『!? 『赤い部屋』か?』 童河「だから『sm666』だってば。呪イノ動画sm666」 画面には恐ろしい画像や意味不明の文字が連なる 『じゃがアタシも都市伝説! この程度に恐れをな…す…? (息が…!)』 突如、『ジェット婆』が苦しそうにもがき始める 童河「効いてきたみたいだね 言い忘れてたけど、『sm666』には作者死亡説があるんだよ 実際は普通に元気に過ごしてるわけだけど こういう恐怖系動画のお約束ってやつ? つまりこの動画内にいる生物の生命力を奪えるのさ じゃ、俺も巻き込まれたくないし… \バイバイ!/\バイバイ!/\バイバイ!/」 そう言うと、動画内からログアウトする童河。相変わらずめんどくさい話し方である。作者的に 『ぐ…がぁ…脱…出』 逃サナイ 逃サナイ 逃サナイ 逃サナイ 逃サナイ 逃サナイ 逃サナイ 逃サナイ 逃サナイ 逃サナイ 逃サナイ オマエ、ノ、ウシロ 『あ…ぐが…が…ぐふ…』 そして、『ジェット婆』は『sm666』の中で泡を吹いて気絶した。息絶えるのも時間の問題だろう 童河「マダマダァ! ドロー!モンスターカード! ドロー!モンスターカード!」 『sm666』の外から様子を伺い、空間内を操作して追加攻撃しようとする童河 練男「…」 童河「……そこは『もうやめて!童河~』だろ!」 練男「氏ねニコ厨」 童河「サーセンwwwww」 練男「はぁ…。 んじゃ『ジェット婆』も倒したことだし? 漏れらも帰ることにしますか」 童河「そうだな! 次はCoAで活躍しようZE!」 そんなことを言いながら、(時々罵りあったりスルーしあったりしながら)帰っていくねらーとニコ厨であった… 続く…
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目が覚めた、その瞬間 恐怖が彼女を支配した 「-------ぁ」 自分は 何をしていた? 何をしてしまった? ただ、彼に振り向いて欲しかった ほんのちょっとでも、彼に想いを伝えたかった ただ、それだけだった、はずなのに 「ぁ、あ…………あぁあああああ………」 自分は 何をしてしまった そして 自分は、何の力を借りてしまった にょろり たこが蠢く 自分が生み出した、タコが 「っいやぁあああああああああああああああああああああああああ!!??」 彼女は悲鳴をあげた 恐怖に、絶望に 自分が、このタコを生み出した? こんな、あまりにも大きな……化け物じみた、タコを いや、それよりも、人間がタコを生み出すなんて、ありえない 一体、自分の体はどうなってしまっているのだ? そして、ここはどこだ? 自分と、よくわからない筋肉質の男二人以外には、誰もいない空間 どんなに助けを求めても、誰もない 誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰もだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれも…… 恐怖と絶望が、彼女の精神を支配する それは、彼女の精神の限界を、超えようとしていて その精神を、完膚なきまでに、壊してしまいそうで……………--------- ずる、と その体が、どこかに引きずり込まれる それは、彼女の心に新たな恐怖を生み出した 引きずり出された場所が、どこなのかもわからず、彼女は悲鳴を上げ、暴れ続ける 「嫌、嫌、嫌ぁああああああああああっ!!??」 「っちょ、せっかく出してやったんだから、暴れるなっ!?」 小さな女の子の声が聞えてきた気がした でも、きっと違う これは、女の子なんかじゃ、ない ----化け物だ 彼女の本能が、そう告げてくる 嫌だ 怖い どうして、自分がこんな目に 「嫌だ、怖いよ……助けて、日景、く…………」 彼女の言葉は、最後まで続かなかった 暴れ、泣き喚く彼女の顎を、何かが強引に掴む 無理矢理顔をあげられ…そこには、ツギハギの傷をもった顔の男が、いて それが、サングラスを外したのを見たのを、最後に 彼女の意識は、闇へと消えた 「…記憶の消去が完了した。この女性に、都市伝説と関わった記憶は一切、残っていない」 「そう………手間をかけさせたわね」 G-No.1の無感情な言葉に、そう答える望 G-No.1の代わりに、ヘンリエッタが望に告げる 「構わんよ。アフターケアも、「組織」の仕事のうちじゃからの」 「本当なら、永遠に鏡の中に閉じ込めておいても良かったんだけどね」 「私が鏡の前通るたんびに、発狂寸前の悲鳴が聞えまくりだよ?こっちが気が狂いそうになるってば」 ため息をつく望の言葉に、そう訴える詩織 そう、藤崎 沙織から、悪魔の囁きが消滅して以降……元々、都市伝説と言う存在を受け入れてなかった彼女は、己の現状に発狂しかけていたのだ そして、彼女のその悲鳴は、鏡と言うツールを通して詩織に伝わり続ける訳で …いくら彼女が都市伝説とは言え、発狂寸前と言うか、ほぼ発狂した人間の悲鳴を聞き続けるのは、少々精神衛生面によくない そこで、大樹に頼むのは、少々気が引けたのだ ヘンリエッタを通して、G-No.1に、藤崎の、都市伝説に関する記憶の消去を頼む事にしたのだ ついでに、藤崎が「タコ妊娠」と契約してしまっている状態も、どうにかしてもらうつもりだ 「…まったく、私も甘くなったわね」 こっそりと、望は苦笑する 翼が、なるべく殺すなと言ったから、藤崎を殺さなかった …藤崎を、詩織の能力から解放したのも 鏡から綺麗な藤崎を出せばどうにかなるかとも想ったが、冷静に考えると、大樹にはその真実がバレるから、と言うのもあったのだ 大樹の胃痛の種は、増やしたくない こうして 望の寛大な処置やらなにやらで、藤崎 沙織は現実の世界に戻ってきた 彼女から都市伝説が剥がされ、彼女が日常に戻った時 彼女は、今回の騒動に関わった、その全てを忘れ去っていた ただ 残った恋心は、永遠に叶う事はないのだと言う ほろ苦い想いだけを、残して fin 前ページ次ページ連載 - 悪意が嘲う
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マッドガッサーと愉快な仲間たち 07 (死人部隊より) 「………ん?」 「どうした?」 「あ、いや、なんでねぇ」 …さっき、視界の隅に入った血色の悪い連中は…確か、「首塚」の仲間の中年が契約している「死人部隊」 誰かを追いかけていたようだったが… ……まぁ、そんな問題行動起こす奴じゃなかったはずだし、大丈夫だろう それに (…こいつは、都市伝説に絡ませたくないしなぁ…) 久々に再会した、小学校の頃からの友人 大学の関係で隣町に引っ越したはずだったが、学校町が懐かしくなって、戻ってきていたらしかった こちらから大学に通うのは大変だろうに …小学校の頃は、友人などほとんどいなかった そんな自分に声をかけてくれた、一緒に遊んでくれていた友人 ……だからこそ、都市伝説絡みの事には巻き込みたくない 昔から、こいつが巻き込まれそうになったら、自分が何とかしてきたのだ また、学校町に戻ってきたのなら…こいつが都市伝説に襲われそうになったら、自分が助けよう 自分は、都市伝説と契約しているから…都市伝説と、戦えるから それが、あの頃、周りの同級生たちの話題に入る事すらできないでいた自分の友人でいてくれたこいつへの恩返しだ 「何だよ、面白いもんでも見たんじゃないのか?」 「いや、気のせいだったから」 …どう考えても、「死人部隊」の連中が三人くらい走っていたのは…何かを追いかけていたのは見間違いではなかったのだが こいつが興味を持たないよう、そう言っておく そうか?と友人は首を傾げたが…とりあえず、興味を失ってくれたようだ 「んじゃあ、俺はこれで」 「何だよ?もう帰るのか?」 「あぁ、夕飯作らないと」 「あー…同居人がいるんだったか。大変だな」 「いや、別に大変でもないさ」 一人分作るも、三人分作るも、自分としては大して変わらないと思う それに、三人分の方が作りやすい物もあるし…鍋物とか 今夜辺りも寒くなってきたから、白菜鍋でも作ろうか 「それじゃあな」 「あぁ、またな」 ひらひらと手を振って、友人と別れる …黒服と、一緒に生活できるようになったし 友人と、また会えるようになったし 最近、いい事が続いているな、と よく日焼けした金髪のその青年は、どこか幸福な気持ちを抱えて、家路につくのだった * 「…………」 彼は、その金髪の、日焼けした青年の後ろ姿を見送った ……あぁ、幸せそうだな 妬ましいな 昔は、あんなに幸薄そうだった癖に 自分が声をかけなければ、人の輪に入る事もできなかった癖に……! いつからだったろうか、あいつが変わったのは 気づけば、あいつは少しずつ明るくなっていっていた 少なくとも、自分がそれに気づいたのは、確か授業参観の日 いつも通り、あいつの親は来ないんだろうな、と思って あいつが落ち込むだろうから、後で慰めてやろうと思って… ……だが、あの日、誰の親かもわからない、黒尽くめのスーツの男が顔を出して その男を見て、あいつはどこか幸せそうに笑って …あの男が、あいつが変わった原因なのだと、俺は知った 変わったあいつは、どんどん変わり続けていった 体を鍛え、高校に入ってからは親元から離れたせいか、色々と吹っ切れてあぁいう外見になって 昔は、何もかも、俺が勝っていたはずだったのに 何時の間にか、何もかもで負けるようになった あぁ、妬ましい、妬ましい あの頃に戻りたい 何もかも、全てあいつに勝っていた、あの頃に 「…マッドガッサーとマリが追いかけられてたな……まぁ、俺がいなくてもどうにかなるだろうが、助太刀しに行くか」 魔女の一撃はいないが…まぁ、俺だってある程度の戦闘力は持っているつもりだ ちょっとくらいなら、力になれるだろう …もしかしたら、とっくに戦闘が終わっているかもしれないが そう考え、「魔女の一撃」の契約者は、マッドガッサーとマリ・ヴェリテが、死人部隊に追いかけられて逃げていった方向へと向かう ………さぁ、あの友人を、いつ裏切ってやろう? いつ、絶望のどん底へ落として……支配してやろうか? そんな歪んだ願いを、こっそりと抱えながら… to be … ? 前ページ次ページ連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち
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○月×日 久しぶりに学校町に来た …そうしたら、中央高校の上空を、何か随分と大きな鳥が飛んでいるのを見かけた 多分、都市伝説だろう そして、街中を歩いていたら、白装束を来た女(なんだか、牛の刻参りでもするような格好だった)と、幽霊のような女性が、黒焦げた蝿の群れに追いかけられているのを見た どうにも、黒焦げた蝿はあんまりよくない存在っぽかったし、どう考えても都市伝説だったし、問題ないだろう あれで、あの二人も助かっただろうし、いいじゃないか …と、言うか、さ 中央高校の上空を飛んでた鳥が、何時の間にかロボットっぽいのと大バトルを繰り広げていたり その周りを、何か筋肉っぽいのが飛んでいるのは何なのだろうか あれも都市伝説なのか? …相変わらず、この街は都市伝説が多い 多すぎると言っていいくらいだ しばらくの間学校町を離れていて、それを実感する …翼は、無事だろうか? 何か都市伝説に襲われていたりしないだろうか? と、言うか 明らかに、中央高校で何か起きている最中な訳で まさか、巻き込まれてないだろうね? (ここから数ヶ月、記述がない) ▲月□日 昨日から、雪がちらつきだした これは、ちょっとつもるかもしれない それにしても、学校町に来て軽く二ヶ月くらいたつのだが、翼の姿が見つからない バイト先はほぼ全部見つけてチェックしているつもりなんだが…姿をまったく見かけない まぁ、あの子は厨房の方にいる事が多いみたいだけれども それでも、一切、姿を見る事ができないだなんて やはり、私は避けられているようだ 当たり前といえば、当たり前ではあるのだが しかし、ここまで徹底されると、ちょっと傷つく どうしても、私と顔を合わせたくないというのか …一応、あの子と一緒に歩いている姿を目撃されたちみっこにも声をかけてみたけど、知らないと言われた 今思えば、本当にあのちみっこは、翼を知らなかったのだろうか? …もしかして、知っていたのに、答えなかった? いや、まさかねぇ ちみっこってのは、純粋な心を持っているはずだろう? 私は、それを信じたい (ここから一ヶ月近く、記述がない) ◇月●日 久しぶりに、あの黒服と顔を会わせた 初めて、その姿を見た時から、全く姿の変わっていない、黒服と …今、ようやく気づいた あの黒服、人間ではなかったのだ あの黒服なら、きっと、翼の居所を知っている そう思ってたずねてみたが、答えてはもらえなかった きっと…いや、確実に あの黒服は、翼の居所を知っていたはずだ 私は、翼の母親なのに…それでも、教えてはもらえない いや 「……あなたは、母親の義務を全うしていたでしょうか?…あなたに、あの子の母親を名乗る資格があると?」 そう、黒服に言われた その通りだ 私には、翼の母親を名乗る資格なんて、ない …だが、それでも 翼に会いたいのだ あの子が、何か厄介事に巻き込まれそうな気がして、心配なのだ 嫌な予感がする 早く、翼の無事を確認したい (ここから二ヶ月近く、記述がない) ◎月△日 また、あの黒服と顔を合わせた 黒服の対応から見て…黒服も、私を嫌っているようだ それは、そうだろう 私は、翼に散々嫌われているし、翼の友人の誠君にも、あまりいい印象をもたれていない この黒服にだって、嫌われる条件は整っている …それは、わかっているさ わかっている、けどさ どうして、素直に事情話して、翼の居所を聞けなかったんだ、私は!? 話せばいいじゃないか 翼に謝りたいのだと 母親として、認めてもらえなくてもいい ただ、会って、謝りたいのだと…どうして、言えなかったのだろう どうにも、あの黒服と顔を合わせると、張り合ってしまう 翼に、きっと、父親のように思われているだろうあの黒服が、羨ましくて 「…あの子は…私の、家族ですから」 なんて、言われたら 余計、悔しいじゃないのさ 私は、翼に家族として認めてもらえていないのに…血が繋がっていないあいつが、認めてもらえるだんなんて …だとしても、ちょっとは素直になって聞き出せば良かった 翼に早く会いたい、謝りたい to be … ? 前ページ次ページ連載 - 悪意が嘲う
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□トレーラー 「彼女を楔にするしか…」 「なら繰り返せばいい、彼女が救われるまで」 「ああ、だからお前が嫌いだよ」 「私、こんな風になっちゃった…」 「相当な大規模作戦に」 「都市伝説の活発化が」 「俺は、もう決めたんだ」 「道は2つに1つしかない」 「恭介はどっちを選ぶ?」 都市伝説と契約者TRPG キャンペーン 『怪異緊急対策特命室 夜雀たちの事件簿』 「File.6:闇夜」 __暗澹は、もう足下へ □ハンドアウト(敬称略) ■神無月・恭介 京都から帰還して一昼夜。本邸からそのまま同行した土御門遙と共に、貴方たちは特命室へ帰還した。遙と顔をつきあわせた後から室長の顔色がよくないことに加えて状況は切迫している。遙の説明を受けた上層部は木暮三葉の殺害も視野に入れた上で大規模な計画を立案、特命室は最前線での接触を命じられた。おそらく君の説得が功を奏しない場合、木暮三葉は何らかの形で心を折られ殺害されるだろう。そんな訳で特命室の面々を集め三葉説得の作戦会議が開かれた。 ■生川・紗良々 作戦会議のために集まった特命室の面々に、先行して実測を行っていたテントウとノッカーがいた。恭介へのダメだしがてら報告を上げに来た彼らによれば、現在木暮神社は侵犯不可で、ノッカーすらも入れなかったという。テントウのカメラで映しても、広がるのは暗い闇のみ。ほとんど情報を得られないで帰還した彼らだが、わかったことがあったという。 「侵犯禁止、多分あれ、エクソシストの術式です」 「おー、向こうに誰かいやがるな」 ・・・ふと、あなたの脳裏に浮かぶ人間がいたが。勘違いだろうと思い直してお茶をすすると、その熱さに全て忘れてしまった。 ■薄瀬・幸 ”闇夜”は真に強大な力を有するらしく、この所都市伝説の行動が非常に活発で『組織』も対処に追われている。更に組織の都市伝説達も妙にぴりついている。意思ある者は一様に「何かに呼ばれている」と述べている。”闇夜”を叩く大規模作戦も多面になると推測されており、本体を叩くために回される人員は多くない。それもあってかやれあちらでぬしさまが回収されたの、やれ向こうでどどめ匣がイベントを起こしただので作戦直前にも大忙しだ。そんな中、カイチが妙に暗い顔をしているのだが・・・。 ■灰ヶ峰・紅葉 _それは、本当に突然だった。打ち合わせやら実務やらで特命室の面々が出払い、たまたま室長室へ君がやってきたとき。ガチャリ、と部屋の扉が開いた。そして入ってきたのは。どう見てもそうとしか見えない、しかもタイタニックと契約を果たしている、血まみれの「灰ヶ峰・紅葉」だった。
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4474.html
イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ 例えば、どこかの樹海。 例えば、どこかの海岸。 例えば、どこかの踏切。 自殺の名所と呼ばれる場所。 イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ そんな場所にまつわる、ありふれた都市伝説。自殺者が地縛霊となり人を引きずり込む。 本当にその場所で死人がでたのか。そんな事は関係ない。その都市伝説は既に広まっているのだから。 イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ イキタイ どこからが自殺者で、どこからが被害者か。そして、どこからが本当に生きていた人なのか。 そんな区別も無く、彼等はその場所に縛られ続ける。 終わらない苦痛。 イキタイ イキタイ イキタイ そして、その苦痛から逃れようと、彼等は今日も助けを求め、手をのばす。 逝きたい 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4872.html
体が痛い。背筋がぞくぞくして、なんだか頭がぼうっとする。 「風邪だね」 ここ学校町は新田家。ノイと柳を除く全員が風邪にやられていた。 いや、新田家だけではなく、学校町全体で風邪がパンデミックしていたのだ。 「ムーンストラック、しっかりして」 「む・・・ノイ・リリス。感染るといかん・・・部屋から出なさい」 「極くん、大丈夫?ああ、飛縁魔は殺しても死なないから平気だね」 「ぼ・・・僕は平気です、うっ、げほげほげほ」 「・・・治ったら、ごほっ、張っ倒す」 「みんな、どうしちゃったのかなー?」 部屋でひとり首をかしげるノイの耳に、小さな声が聞こえる。 「おい!」 「ふぇ?」 見回しても、誰もいない。みんな風邪で寝込んでいるし、柳は病人の世話に忙殺されている。 つまらないから幻と遊ぼうかと思ったけど、貴也がひどい風邪で、これまた看病に忙しいのだという。 空耳かなぁと窓の外に目をやると、 「ここだ!ここ!」 見下ろしてみると、毒々しい色の小さな金平糖のようなものがそこで声を張り上げて―なにぶん体が小さいので、その分声も小さい―いた。 どっかで見たことがあるなぁとしばし首を傾げ― 「あ!エヘン虫だ!」 テレビで見たー!ホントにいるんだー!と好奇心旺盛に突っつき回し出したので“エヘン虫”は大慌て。 「ば!バカかお前!オレ様はな、都市伝説なんだ!」 その“エヘン虫”いわく、彼は「馬鹿は風邪を引かない」という都市伝説で、普段はひっそり温和しく、冬だけ活動して平和に暮らしていたものの、ここ学校町に来た途端急に能力が拡大して、町中にその力を振りまいてしまったのだという。 「みんな困ってるよー、早くカゼをなおしてよ」 「オレ様は風邪を引かせることは出来ても、風邪を治すことは出来ないんだ!」 みんな困れ困れー!と高笑いを上げる「馬鹿は風邪を引かない」に向かって、全員の熱冷ましシートとアイスノンを代えた柳が一言。 「このまま風邪が収まらなかったら、『組織』が調査に乗り出して、君なんかあっけなく討伐されちゃうね」 にこにこの笑顔のままこれを言うものだから、かえって怖くなったらしい。 「うっ!それは困るのだ!オレ様契約者を探さなきゃ」 彼曰く、契約者を作って契約すれば、力が安定してこんなに無駄に振りまかずに済む、よって風邪のパンデミックも収まる。との事で。 「柳、あたし、行ってきていい?」 襟元にリボンを結んだ紺色のワンピースに、しっかりベレーを被って。 「じゃ、行ってらっしゃい。みんなの面倒は任せてね」 元気よく家を出たノイはぱたぱたと駆け出した。 街にも風邪はあふれていた。 「けほん、けほん」 「げほっ・・・こんな時にも呼び出しなんて、蓮華ちゃんも冗談キツいぜ」 「ご主人様・・・しっかり、こほっ」 「はっくしょん!」 「ごほっごほっ・・・ああ、あそこに健康な人間が、ああ妬ましい、健康が妬ましい・・・!」 「ホントにみんなカゼだぁ・・・エヘン虫、なんとかできないの?」 「だーかーら!オレ様はエヘン虫じゃなくて!ああもういい!」 「ねーねーっ」 ふたり(?)に声を掛けてきたのは、水色の髪と目の、ノイよりちょっと年上の、可愛い女の子。 その子はエヘン虫を指さして一言。 「それ、食べてもいーかな?」 「ふぇ?」 エヘン虫を?食べる? 「このコは都市伝説だから、食べられないよ?」 あまりにも唐突な申し出に、ふたりとも頭がついて行かない。 そうこうするうちに― 「えいっ」 その水色の髪の少女が、エヘン虫をつまみ上げてぽいっと口に運ぼうとした。 「わー!!??」 「やめてー!?」 ノイが少女に飛びついた拍子に少女の手がエヘン虫から離れ、あわててエヘン虫はノイの後に隠れる。 「私ね、つーちゃん」 「『感染系都市伝説担当部署』ο(オミクロン)-No.2」 「ゼロりんの命令で、その都市伝説を“食べに”来たんだ」 「えっ・・・エヘン虫を、食べるの?」 ダメだよ!とノイが悲鳴を上げる。 「だって、命令なんだもーん」 “つーちゃん”と名乗った少女はじりじりとノイに近寄る。 「邪魔すると、あなたも食べちゃうよ?」 (このコ・・・本気だ) どうしよう、エヘン虫が食べられちゃう。 少女の動きに合わせてじりじりとノイも後ずさりする・・・が。 (どうしよう、壁だ) 「じゃあ、いっただきまー・・・」 「あーっ!!!!」 時ならぬ大声に、思わず“つーちゃん”の動きが止まる。 大声の主は、長い茶髪のサイドだけを高い位置で束ね、水色に白いメリーゴーランドの柄がプリントされたワンピースを着た、 ふたりよりも更に年上と思しき、辛うじて少女と言えるくらいの女の子。 「それ、可愛いー!貰っていい?ううん、ちょーだい?」 「え、でもこのコ」 茶髪の少女はしばしじーっ、とノイを見つめる。 この少女は「ダンタリアン」の契約者、水上怜奈。 契約都市伝説である「ダンタリアン」の力を最大限に使い、あらゆるモノに「変身」し、 さらに「ダンタリアンの書物」であらゆる生き物の思考を“読む”事が出来る。 「あ、うん。いーよ、よくわかったから」 ひとり勝手に頷くと、ひょいとエヘン虫をつまみ上げる。 「それ、私が食べるんだけどー!」 さっと延びてくる“つーちゃん”の手をかわすと 「へーんっ、しんっ!」 茶髪の少女は見る見るうちに、小柄な黒髪に、ベレー帽姿の少女となっていた。 「う、うっそー!?」 「な、な、なんだぁ?」 ノイが、ふたり。 これには当のノイも、エヘン虫もびっくり。 未だに呆然としているノイの手を、ノイに“変身”した怜奈が持ち上げ 「どっちだっ?」 「え?え?こっち?」 あまりの急展開に彼女も着いていけなくなったのか、ノイの方を指し示す。 「あっそ、じゃ、コレあげる」 自らの盾にするようにひょいっとノイを差し出した怜奈。 「へーんっ、しんっ!」 お次は一羽の鳩になり、羽音もばたばたと喧しく飛び去っていった。 「・・・・・・」 「・・・・・・」 あとに残されたのは、黒髪と水色の髪の、ふたりの少女。 先に我に返ったのは、水色の髪の少女で。 「ねっ!都市伝説は!?」 揺さぶられたノイは、未だに夢でも見ているかのような表情。 「あ、あの子が、持ってっちゃった・・・」 “つーちゃん”はしばらくその場でわなわな震えて立ち尽くしていたが、やがて。 「わーん!ゼロりんにいいつけてやるー!!」 盛大に泣きながら、去っていった。 それから程なく。 学校町で大流行した風邪は程なく終息に向かい、街はいつもの平穏を取り戻した。 「エヘン虫、元気でやってるかな・・・」 いつもの家のいつもの部屋でひとりごちるノイ。 「待って・・・『バカは風邪を引かない』?ってことは・・・あたし、バカってこと!?」 その疑問に今更気づいたことが、何よりの答えだろう。 END
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「天照と「月読の…「「「東京」バックグラウンドパート4」」…」ー!」 「さあ、早いもので4回目となりましたこのバックグラウンド、いつものようにこの「特設スタジオ」から堂々電波ジャックの生放送でお送りしてまーすっ!」 「テンションタカクテツイテイケナイ…」 「それにしても、あの豪快すぎる魅せ技は流石に無いよねぇ?」 「絶対にありえない…」 「だってあんなん使われたらそりゃどんな都市伝説だってイチコロに決まってるでしょ?そしたら私らの出番無くなっちゃうじゃない?」 「…イキツクサキハヤッパリソコカ」 「 何 か 言 っ た ? 」 「パワーバランスが大事って…」 「それならいいけどね♪」 「タスカッタ…」 「それでは、お便りのほういってみましょうっ!」 「P.N.「メリーちゃんとラブラブ(はぁと)」さんからのお便りですっ!」 「外部の人からお便り届くのは初めてですね…ミナサマガタナラゴゾンジナノデショウケド」 「ん?どしたの?」 「なんでもない…ただの独り言…」 「「みなさんこんちはっ!」 「ウザッタイテンションガマタヒトリ…」 「ワイはかわいいお人形さんとイチャコラしながら都市伝説と戦うかっこええ契約者なんですが」 「リアジュウシネ…ッテイウカニンギョウトイチャコラッテハタカラミタライタイコニシカミエマセンヨ?」 「あんたらはどの辺を活動拠点にしているのか教えてほしいなぁーと思って手紙出しました!」だそうですっ!」 「そもそも貴方は索敵に優れてるって自分で言ってませんでしたか?だったら自分d」 「そういえば私も気になってはいたのよねー」 「勝手に割り込まないでください…」 「という訳で、この件に関しても作者からお手紙を預かってきておりますっ!」 「その準備の良さを他に生かせませんか?」 「えーと、何々「活動拠点といたしましては、主人公たちが今まで戦った場所が全部繁華街かその周辺なので、」 「いつも通りの作者の投げやりですね…」 「今まで見てきた学校町の設定を元にすると、やはり南地区に活動拠点があると推測せざるを得ないと思われます。」 「ナゲヤリニモホドガアル…」 「なので、南地区周辺だと思われます。」だそうですっ!」 「なぜ作者は私達の活動拠点を明かす必要があったんでsy」 「へぇー!私たちは南地区周辺に存在してたんですか!」 「だから割り込まないでください…」 「これから話の展開が広がってきそうですねっ!」 「という訳で、今回もいつも通りの展開でお送りいたしましたこのバックグラウンド」 「あぁー!私抜きで勝手に締めるなぁ!この番組では、お便りをどんどん募集しておりますっ♪」 「宛先は郵便番号×××‐×××× ××県「バックグラウンド」まで…」 「あなたのお便り、「「待ってまーす」」…」!」 「ワタシニナニカモンクデモアルノ?」 「ダカラソンナコトヒトコトモッテダカラアマテラスサンオネガイダカラグーダケハヤメテグーダケハァー!」 前ページ次ページ連載 - 結界都市『東京』
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【上田明也の探偵倶楽部22~宴の準備~】 ~前回までのあらすじ~ 殺人鬼「拝戸直」との激戦を経て自らの異常性に気づいた上田明也。 朝比奈秀雄との戦いで受けた傷もほとんど治癒し、彼は探偵業務を再開したのであった。 そんな彼にスポンサーであるサンジェルマンからの依頼が入る。 ~前回までのあらすじ、終わり~ 「だから言ってやった訳よ、お前それでも人間か!ってさあ。」 「アハハハハハハハ!」 「笛吹さんたらもう、何言ってるのよぉ!」 こんにちわ、私立探偵の笛吹丁だ。 只今事務所のお金を使って綺麗なお姉さんが居る店で豪遊中である。 単に遊んでいるだけのように見えるがこれも立派な仕事の一環だ。 「あ、俺用にウイスキーと……この子達にドンペリ適当にお願い。」 「おやおや笛吹さん、今日は飛ばしますねえ。」 「いやぁ、良いことがあったからね。」 「成る程、それは良かった。ところで今日は私立探偵殿に一件依頼をお願いしたい。」 「それは良いんだけどさ、事務所の帳簿ごまかしてる分、後で建て替えておいてね? 飲みに出たのばれると事務所の女性陣が怖いから。」 俺の前で佇むダンディでヨーロピアンな髭紳士はサンジェルマン伯爵という男だ。 彼は世界中の貴重な都市伝説をコレクションしては人間に配布して回るという妙な趣味を持っている。 ちなみに普段は金髪碧眼の優男なのだが今回は自らの力で姿を変えているらしい。 この姿の時はロイド=マスタングと名乗っているそうだ。 「ありがとうございます。 報酬はいつも通り貴方の口座に振り込んでおきましょう。 依頼の内容を話したいので少し女性陣には席を……。」 「えー、やだー! 普段俺もてないんだからー! こういう時くらいは美人の皆様に囲まれる至福の時間を楽しみたいのー! もうちょっとだけ頼むって!」 「はいはい、後で好きなだけ時間取ってあげますから。 それでは皆さん少々…………。」 「くそーぅ!リンちゃんメアド交換してくれー!」 「笛吹さんたらすぐに新入りの女の子に声かけるんだから!」 「またお話聞かせてね笛吹さん!はいこれメアド!」 「あ、抜け駆けしないでよー!」 「じゃあ私もあげちゃうもん!」 「私も笛吹さんと遊びに行きたーい!」 「ロイドさん、今度はお酒も頼んでね!」 ああ、綺麗なお姉さん達が別の席へ……。 まあ興味ないから別に良いのだけどさ。 「…………で、お仕事って何よ?」 「ええ、もうそろそろ朝比奈秀雄が倒されるらしいんですよ。」 「朝比奈秀雄?俺が戦った竜男かい?」 「そうです、偶然貴方が彼に接触したのがラッキーでした。 そのおかげで橙さんの情報網にもかからない“教会”の情報が手に入った。」 「ふぅん、その情報で朝比奈が倒されるって解ったの?」 「いいえ、それとは別です。」 「別なのかよ!」 まったく、困った奴だ。 人に物を話す時は要点をまとめろというものだ。 「私が確認したのは朝比奈秀雄が契約した都市伝説です。 なんと彼は“教会”が封印していた複数の『竜』の都市伝説と契約していたのですよ。」 「そりゃあ俺だって知ってるよ。俺自身が戦ったんだもの。 まあ複数だったのは俺も知らなかったけどさ。」 「今回大事なのは教会が封印していた竜達だということです。」 俺は少し考え込む。 ……ああ、そういうことか。 俺にはサンジェルマンの言いたいことがよくわかった。 教会が封印していたってことはサンジェルマンには手が出せない。 しかし今、朝比奈秀雄が敗北することになれば……。 「朝比奈秀雄の敗北時に朝比奈が手放すであろう竜を俺が確保すれば良いんだな?」 「その通りです。『組織』に籍を置く私の友人によれば、 Dナンバーの黒服が契約を解除させる類の都市伝説を持ち出しているようです。 おそらくそれで竜は朝比奈秀雄の制御を外れます。」 「成る程、そいつぁ素敵だね。誰も知らないところで暗躍する訳か。中々かっくいいな。」 「でしょう?」 「で、お前のにらむその戦闘の日って何時よ?」 「それについては橙さんがすでに予測を出しています。 三日後、ですね。貴方に確保して頂きたい竜は実はすでに決まっています。」 「いつもながら良い仕事だ。完璧な情報有っての完璧な仕事だよ。」 「才能にも相性が有りますからね。 橙さんの能力で前もって情報を得られていれば、貴方の交渉能力や作戦立案能力は何倍にも輝く。」 「ちなみに確保して欲しい竜の種類は?」 「タラスクス、亀です。詳しいことはまた後から教えましょう。 とりあえず今はまだ飲みたいんでしょう?」 「いや、良い。残りは帰ってからだ。ネタバレなんてあまり面白くないだろう?」 俺はサンジェルマンに会計を任せてさっさと家に帰ることにしよう。 こういう店の雰囲気は苦手だし…… 正直言って大人の女性というのは近くに居るだけで嫌なのだ。 「そういえば気になってたんだけどさ。」 「どうしたんですか?」 「朝比奈秀雄って、本当に悪い奴なのか?」 「……どういうことでしょうか?」 「いや、俺が戦った限りでは確かに悪い奴っぽかったけどさ。 なんていうか、違うんだよなあ? あいつが悪い奴ならもっと楽しようと思うはずなんだよ。 あれじゃあまるで、『組織』が憎いみたいじゃないか。」 「私の頭では貴方の話が理解出来ないようです。」 「いや、悪いことするだけなら『組織』を敵に回さなくたって良い。 俺みたいに自分の我が儘で動くんなら仕方がないけどさ。 ―――――――違うかい?」 「まぁ、別に悪いことだけが目的ならばそもそもこの町に来る必要はない。 というのは正しいですね。」 「じゃあ彼は何をしに来たんだろうか?ここで俺は面白い仮説を一つ立てた。」 「聞かせてもらいましょうか…………。」 「あいつは単に家族が欲しいだけなんじゃないかなあ?」 「え?」 「第一に、家族の為じゃなければ人間にあんな非道な真似はできない。 第二に、家族の為じゃなければそもそもこの町にこだわる必要はない。 第三に、家族、乃至大切な人の為じゃなければ大量の竜との契約など無茶な行為は出来ない。 違うかな?」 「それは………………。」 まあ答え合わせはどうでも良い。 思いつくままに話しただけだ。 サンジェルマンに会計を押しつけると俺は綺麗なお姉さんの居る店を出ることにした。 プルルルルルル プルルルルルルル 電話だ。 明日恋路からの物のようだった。 おおかた明日真の身に何かあったのだろう。 と、なると黒服Hも出張ってきたか? 「はい、こちら笛吹探偵事務所。」 「やぁ所長、これから……」 「これからあまり事務所に行けなくなりそうだ。 何故なら組織、というか黒服Hに止められたから。 違うか?」 「正解。なんで解ったの?」 「声の調子で解る、人間心理なんて所詮パターンだ。 心は無限に変化するなんて綺麗事、俺には通用しないぜ。」 「そうですか、じゃあ理由もわかりますね?」 「おう、お前の主が『組織』と対立せざるを得なくなったら俺に電話しろ。 その時は面白い物を貸してやる。」 「え?」 「俺が只のフリーの契約者だと思うなよっつー話だよん。 これから忙しいから切るぜ、じゃあな。」 通話は早々に切った。 組織が今の通話を利用して俺の位置を特定してくる可能性もある。 俺はとりあえず急いで事務所に帰ることにした。 「組織、教会勢力、首塚、朝比奈秀雄、あと呂布、この町は問題を抱えすぎている。 まあ町なんてどこだって問題を抱えているだろうが……。 いくら何でも多すぎる。 何かに誘われているんじゃないか?」 「さぁて、それはどうでしょう?」 「……誰だお前。」 俺の隣をいつの間にか黒服の女が歩いていた。 とりあえず村正で斬りつけてみる。 見事に直撃。 豊かな胸から鮮血を吹き出して彼女はその場に倒れた。 「まあこれ喰らっちゃえば死ぬんだけどさ。」 「ハーメルンの笛吹きから得た悪魔の能力ですか? 一瞬で心臓を抜き取るなんてそんなことされたら “私死んじゃう”じゃないですかぁー。」 むくりと起き上がる。 黒服の少女はあっけらかんと笑っていた。 「誰だお前?」 「私は『組織』の中でも貴方を快く思っていない人間です。」 「こいつは愉快だ、『組織』に俺を快く思っている人間が居るのか?」 「あはっ、良いこと言いますね!」 「俺は良いことしか言わない、そんなの知っているよ。ついでにお前の能力も知っている。」 「それは嘘ですよー。」 「良いのか?嘘だ、なんて言っちゃって。」 正直に言うと当たりはついているが詳しくは知らない。 今解っているのは『言葉』が発動条件。 そして直接攻撃は出来ないということ。 おそらく何かしらの制限をもうけたタイプの都市伝説で言葉を交わさなければ俺を倒せない。 “私死んじゃう”の所だけ微妙に緊張していた所から推理すると 自分が出した言葉を現実に変える能力だろうか? 「嘘なんて、つくもんじゃないだろう? そういう能力の持ち主ならばなおのことだ。 言葉は選んで使わなきゃ、嘘なんてものも意味はない。 虚しいだけだ。」 キョトンとした顔でこちらを見つめる黒服。 恐ろしい物でも見たかのように顔が引きつっている。 馬鹿め、お前の気持ちなんて丸っとするっとお見通しだ。 「さしずめ黒服になる前に近親者を俺に殺されたってところか。」 黒服の顎に手を当てて顔を傍に引き寄せる。 中学生、高校生、少なくとも二十歳を超えているとは思えない。 「いいや、お前が被害者だったのかもしれないな? 覚えがあるぞ、お前の顔には。 そうだ、あのクラブだったかなあ? 俺が殺戮した少女Aだったかもしれないね。」 「さあどうでしょうかー? そもそも私が元・人間の黒服かどうかさえ…………。」 「純粋な黒服に言葉を介して発動する複雑な都市伝説の発動はできない。」 黒服が腰から銃を抜き放つ。 俺は村正でそれを真っ二つにして彼女の腹を割く。 「駄目だな、暴力で俺に勝てる訳がない。」 「それは、“嘘でしょう”。それにその刀じゃもう私は傷つかないですよー。」 次の瞬間、黒服はすごい勢いで俺を組み伏せた。 さっきまでの子供の何処にこんな力が有ったのだろうか? だがこれで推理は徐々に確信に近づく。 あと少しで、完璧にこいつの正体がわかる。 「お前、沢山の黒服と一緒に来ていたりするんじゃないか?」 「へ?何言ってるんですかー? 憎い仇相手なんだから自分でぶっ殺したいじゃないですかー。」 「そうか、このまま俺は殺される訳か?」 「いやいや、ゆっくり苦しんでから死んでもらいますよ。」 解った。 こいつの能力は嘘を現実にする能力ではない。 現実を嘘にする能力だ。 唯の能力に似ているがネタが割れれば対処しやすい能力だ。 黒服の手が首に掛かる。 「お前の能力、自らの言葉を嘘に出来るわけじゃないな。 俺の言葉しか嘘に出来ていない。 さっきから俺の言ったことが次々覆されている。 更に気になるのが今の俺の台詞は覆せるのか? 出来ないはずだ。 俺の言葉の中で俺とお前の間でだけ成り立つような物のみが現実になる。 まだ使いこなしていないみたいだな、それ。」 袖から取り出した小型の拳銃で黒服を撃つ。 小さな身体が道の中央に転がった。 「こんな攻撃で死ぬなんて……、嘘だ!」 少女の傷が一気にふさがる。 どうやら先ほど俺は余計なことを言ってしまったようだ。 まだつかいこなしていない、などと言えばそれを嘘にすれば彼女がレベルアップする。 あくまで俺との戦いの間だけ、しかもそれなりに代償は払ったのだろうが……。 今だけは彼女は嘘に出来る範囲が広がったらしい。 現実を少しばかりいじれるようになったみたいだ。 だが都市伝説の能力の拡張には限界があると考えて良いだろう。 今の彼女は恐らく自分に関わることならば嘘に出来るに違いない。 「本当に、嘘かな?」 「え?」 「俺には解らないな。」 「えっと……」 「それは事実かもしれないんじゃないか?」 曖昧なことは嘘に出来ない。 疑問は嘘に出来ない。 疑問から暗に込められた真意を読み取るのは人間だ、都市伝説じゃない。 こうすれば、都市伝説による無効化は不可能だ。 黒服の動きが止まる。 攻めるなら今だ。 「俺には解らない。 そして君にさえ解らない。 君が言ったことは本当に嘘なのだろうか? 幸いなのか不幸にしてか此処には君と俺以外誰もいない。 それはすなわち君と俺しか今此処で起きたことに真偽の判定が出来る人間は居ないってことだ。 しかしその二人が解らないのだ。 君が怪我しているかは俺たちに解っているんだろうか? 明快じゃないね、まったく訳がわからないように感じられる。 ところでだ、君とは明日真の居たクラブで出会ったらしいが、君はどうやって俺に殺されたんだ? ワラのように?屑のように?塵芥のようにかな? 惨殺か、斬殺か、銃殺か、重殺か。 一度死んだのに、一度殺されたのに、まだ俺とやりあおうだなんてずいぶん頑張り屋サンだ。 おいおい何か話せよ、君の能力はそういうものだろう?」 ジワリと黒服の傷口から血がにじむ。 少しずつ集中力がそがれているようだ。 物事を嘘にし続けるには集中力が必要らしい。 「そして次にお前はこんな弱い自分は嘘だ、と自己否定を始める。」 「こんな弱い自分は……嘘だ! ――――――!?」 「君は俺を倒すには力が足りないと思ったね? ところで俺に見越されていた程度の自己強化で俺にとどめを刺せると思うかい? 君の乱れた集中力で、君の『あぎょうさん』はどこまで保つんだい?」 黒服はジワジワと後ろに引き下がり始める。逃げ出す気だ。 恐らく俺の言った都市伝説は完全に当たりだったのだろう。 「おい、待てよ。」 黙ってこちらに背を向けて逃げ出す黒服。 仕方がない。 「仕方ないなあ……。」 息を大きく吸ってよく通る声で彼女に語りかける。 否、命令する。 「 ひ れ ふ せ 。」 ベタコーン! 彼女はまるでひれ伏すかのように頭を地面にたたきつけた。 「足がもつれた……?」 「驚いただろう?俺の特技だ。 俺は人間の意志を操ることが出来るんだよ。 元々人と会話する能力に長けていたからね、 少し操作系の都市伝説の影響を受けただけでもここまで特技が強化されたんだろうな。」 「そ、そんなの『組織』でも聞いていない!」 「そりゃあそうだろうさ、俺が独自に見つけた技術なんだから。 都市伝説は人間が本来持っている才能を磨き上げる能力があるのさ。」 俺はゆっくりと地面にひれ伏す黒服に近づく。 まるで自分が王者か何かでもあるように。 「顔をあげて良いぞ。」 再び逃げようとする黒服。 同じことをしても無駄だというのに。 「ひ れ ふ せ 。」 ベチコーン! 再び彼女は頭を打ち付けた。 「誰が逃げて良いと言った?」 「ひ、ひぃ……!」 脅えた少女の目。 良いぞ、ゾクゾクする。 「安心しろ、お前は殺さない、これから一晩かけて俺の話を聞いてもらう。」 まだこの年ならばハーメルンの笛吹きの能力も効くだろう。 契約者、特に黒服といえど此処まで心を折られたならもはや俺の操り人形だ。 俺のような操作系もそうだがこの手の事象に直接干渉する都市伝説は高度な集中力を要する。 もう彼女は俺に抵抗できない。 ところで先ほどの「ひれふせ」だが当然嘘である。 さっき組み伏せられた時、彼女の服の裾などにワイヤーを少し仕込んだだけだ。 それを彼女が逃げだそうとした時にひっぱって転ばせただけである。 無論、彼女は自分が操られていると錯覚したようだがそんなことはない。 言葉をかけるだけで相手を操れるなんて化け物の所行だ。 「一晩かけて俺の話を聞けば多分だけど俺を憎むことは出来なくなるだろうな。 安心しろ、退屈はさせないし殺しもしない。 ただ一瞬だけ、俺の下僕になってもらえるように丁寧にハーメルンの笛吹きの能力で後催眠をかけるだけだ。 まず、組織で俺を討伐する場合積極的に志願すること。 次にお前の目の前で俺を殺そうとした奴をお前がその腰の銃で撃つ。 ただそれだけの行動をお前の精神に嫌と言うほど刻み込んでやる。 お前は俺の下僕になるんだよ。 黒服になったんなら俺に関わらずに生きていれば良かったのにな! アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! フフフハハハハハハハハハハハハ!」 さて、これで少し娯楽が増えそうだ。 ドラゴン退治の前に少しばかり楽しいおもちゃが出来た。 自我を失うまで調教してやることにしよう。 【上田明也の探偵倶楽部22~宴の準備~fin】
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南区のその一角で、銃声が鳴り響く 三人の警察官が、襲い掛かってくるコーク・ロアに支配された被害者達に、その影響を取り除く特殊な薬品を内臓する特殊弾を放っていく …何らかの都市伝説の影響が働いているのだろう 一般人の姿がない為、わりと遠慮なく発砲し続けている 「あぁ、くそ、弾切れか!?……ッ広瀬警部補!」 「今、そちらに装填済みの銃を………っ!?」 中年の警察官に、特殊弾を装填済の銃を投げ渡そうとした広瀬 美緒 しかし…その彼女の体を、背後から現れた何者かが、押さえ込んだ 振り返れば、包帯塗れの顔の何者かがいて……その、ぽっかりと空洞になったような目の位置に、狂気がにじみ出ていて その体に、漆黒の蛇が巻きつき、ゲラゲラと笑っていた 「注射ぁ……して、あげようかぁあ……?」 『ヒャッハハハハハハハハ!!やッチマエ!!タップリト注射シテヤレヨォオオ!!』 「--ッ注射男……!」 その腕から逃れようとするが、都市伝説の強い腕力で押さえ込まれ、身動きできない 注射男の片腕に…どす紫色の液体の入った注射器が、現れて 中年警官が、急いで駆け寄ろうとしてくるが……距離がありすぎる 間に合わない 注射器は、そのまま、美緒の腕に、注射を打とうとして 「----っぎ!?」 『グァ!?』 すぱぁんっ、と その腕が……あっけなく、切り飛ばされた 鮮血を撒き散らし、注射男は痛みに悶え、美緒から手を離す 「無事ですか!?」 「…影守、さん…………はい、問題、ありません」 刀を手にし、鎧を纏った影守が美緒を背後に庇うように、注射男の前に立った 刀の切っ先は、痛みに悶える注射男に向けられている 「都市伝説や、悪魔の囁き憑きの相手は、俺達が引き受けます。あなた達は、コーク・ロア被害者の対処を!」 「……わかりました」 影守がきたことで………少し ほんの、少しだけ 美緒は、ほっとしたような表情を、浮かべたのだが その表情は、すぐにいつもの、どこか冷たい表情へと、戻った 「無事か?警部補殿」 「…問題ありません。都市伝説の相手は「組織」の方にお任せしましょう」 駆け寄ってきた中年警官に、弾を装填済の銃を手渡す美緒 あぁ、と中年警官は、頷いて 「……よかったな?ここに駆けつけたのが、あの兄ちゃんで」 「……………どう言う意味ですか?」 「いや、警部補殿としては、嬉しいんじゃないかと思ってな」 「この状況で、馬鹿な事を仰らないでください。訴えますよ?そして勝ちますよ?」 わかったわかった、と苦笑して、中年警官は再び、コーク・ロア被害者達に向かっていく 美緒も、そちらに応戦したいが……自分は三人のサポートで精一杯だ 駆けつけた影守のサポートも…彼女には、無理だから 「………どうか………………誰も、死なないでくださいよ……」 ぽつり、と 小さく呟かれた、美緒の言葉は 誰の耳にも届く事なく、喧騒の中吸い込まれて、消えた to be … ? 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ